いのちに想いを馳せて

すっかりご無沙汰しておりました。

今日3月10日は東京大空襲から71年、明日3月11日は東日本大震災から5年。

いのちについて想いを馳せられる方も多いことでしょう。

犠牲になった方々が安らかでいられますよう、お祈り申し上げます。

半年ほど前になりますが、群馬県立近代美術館にて

書道家・井上有一氏の『噫横川國民學校』と『東京大空襲』を観てきました。

井上有一氏は、小中学校の教師として定年退職するまで勤め上げながら

生涯を通じて3000点以上の膨大な作品を遺されたそうです。

宿直していた横川国民学校東京大空襲に遭遇し、

その時の経験をもとに作られたのが『噫横川國民學校』と『東京大空襲』です。

東京大空襲は、疎開先から卒業式のために

生徒を連れて戻ってきた矢先の出来事だったそうです。

学校を包囲するように炎が広がり

容赦なく人々が焼かれていく惨状を目の当たりにし

本人も意識を失い仮死状態で発見され

数時間に及ぶ蘇生処置によって奇跡的に生き残ることができたそうです。

大空襲の惨状と、疎開先から連れてきた生徒を死なせてしまった悔恨。

焼きついて離れない想いをいつか必ず書に…と考えていたそうですが

筆をとっても感情が先走ってしまい、作品となるまでには30年ほどの歳月が

かかったそうです。

『噫横川國民學校』を観たとき、その気迫に息が詰まり、心が揺さぶられました。

猛火の中で焼かれていく人々の悲鳴が聞こえてくるようで…。

あまりの衝撃に、その日の夜は眠ることができませんでした。

様々な時代を生きてこられた先人達がいて

今の自分が存在しているのだということを

改めて気づかさせていただきました。

井上有一氏の生誕100年記念ということで、

金沢では大回顧展が開かれているそうです。

(噫横川國民學校の展示は終了してしまったようですが)

生きていられること

たくさんのいのちと出会えること

楽しいことも苦しいことも経験させていただけること

日々感謝して暮らしていきたいですね。